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棒 0-2

それから有無も言わさず旅立つ事が決まってしまった
母親は普通の人間だったから
「これ、少ないけどもって行きなさい。*MZに60シィル
(この世界の通貨の一つ、500円位の価値はあるんじゃね?)
と下着の替えと岩塩の袋、それに薬草の丸薬詰め合わせetc・・・」
* MZ:マジックザック 小さい外見とは裏腹に抜群の収容力を誇る謎多き袋
    母親の手製で 市販の物よりかなり高性能
母親の顔色から察するに 反発したけど 聞いてもらえなかった様だ
60シィル・・・大体冒険者の宿に4日も泊まれば綺麗に無くなる。
恐らくこの金額も父が決めたのだろう。
本当に 何だろうこの父は
「私からお前にこの 昔私が師範時代に王から授かった 士魂 を授ける。」
「・・・やっぱり 棒か・・・」
軽くて丈夫 血とか脳漿の汚れがいくらかついているが良い棒だ 洗えよ
棒使いなんて 親父しかいなかっただろうから 親父に回された品だろう
親父は無論棒マニアだが、棒の種類は少ない 世界のせいである。
「面倒臭くなって勇者とやらを撲殺するのは ナシな?
 ちゃんと剣へし折って来いよ?後これ へし折リストな?」
変な手帳を渡された『直ぐわかる へし折りスト』
世間である程度有名な剣のリストだ
多分可能な限りへし折れという事だろう 何てことだ 

「辛くなったら何時でも帰ってきなさいね?」
母親は優しい
父親の脳みそに母親の優しさの1/100でもあれば、俺の人生変わったんだろうなぁ
母は 普段 部屋で大釜煮たり ドクロ集めたり
トカゲとかヤモリの黒焼きとか 変なクスリ作ったりして
たまに龍とか悪魔とか天使を召使代わりに呼び出したりする
(おかげで館の中で人間は家族以外に居なかった)
記憶にある限りでは一向に歳をとらない 普通の女性だ

「大丈夫、俺だって 男さ。」
「うむ、最低でも10本はへし折るまで帰ってくるな。」
「あなた・・・」
「ところで、人の剣勝手にへし折って 俺怒られないか?」
「え、感謝されるんじゃないか?」
悲しいが この親父は 素だ
困った事に母も親父のこの変なところに惚れたらしく
母が親父を矯正する様子は見当たらない
「ま、行ってくるよ。」
「いってらっしゃい・・・気をつけてね!!」
母の目が潤みだしたので、足早に家を去ることにした
親父はとても嬉しそうだ どうやら俺が失敗するとか 考えて無いらしい。
・・・・・・・・・・

・・・・
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by ogie_come | 2012-04-21 17:09 |

棒 0-1

手慰みに
最近書いてるもんを試しに載せんとす。
面白いか否かは解らない。
ただ、最近こんなものを 作っていると 少しだけ 叫んでみよう。


俺は 田舎者だった
ただの田舎者と違ったのは
物心着く前から 棒を振るい続けてきた 事だ
棒は良い
突けば槍
払えば薙刀
持たば太刀
綺麗な顔には 狙撃銃
脇に構えれば ビームライフル

実に万能の武器・・・

父親は元とある帝国の武術師範 ただし、棒専門だった
だが、練兵所に現れる者達は
貴族達は 剣 
将軍達は 槍
大体系統が偏っており
父の専門、棒を教えて欲しいという者は誰も居なかったのだ
父は徐々に他の武器を嫌い始めたらしい・・・
それが元で 引退し
山奥に引っ込み
山奥の村で嫁(俺の母)を見つけ
俺が生まれたら直ぐに 棒を教え込んだ
外界を殆ど知らない俺は
棒だけが 人生になってしまった

世間に魔物が溢れており 人々を襲っている事
勇者という人物が存在し、魔王と闘う宿命を負っている事
棒以外のたくさんの武器
年頃の女性 

その辺りは一切といっていいほど知らなかった
母親がたまに教えてくれたが 基本は父親が教える棒ばかりだったのだ
そして ある日
相変わらず棒で薪割りという 
意味不明な事をさせられていた俺の元に父が現れ、こう 告げた
「良いか?シシンよ。」
「・・・・?」
「家を出よ。」
「な、なんと!?」
俺は死ぬほど驚いた
父は俺に棒を教え込んでそのまま 殺すつもりに違いない
そう 心から思っていたからだ
「お前に 使命を与える・・・」
父の目はいつもトチ狂っているせいで 正気かどうか判断しがたい
その次の言葉に俺は驚いた
『ちょっと 魔王を倒すのに必要らしい 伝説の剣ってのを へし折ってきてくれ。』
「あ?」
魔王が何か 母親から大体聞いている
世界に数名しか居ない、強大な存在。 魔物たちのボス
そして 伝説の剣 勇者の為に存在し 勇者がその伝説の剣を振るう事でやっと 魔王を倒せる
という伝説が存在する 事実は知らない 興味も大してない


父親は別に 魔王派とかではないはずだ・・・
「いきなり 何言っちゃってるんですか?」
「いやぁ・・・ムカつくじゃん?な?マイサン?棒が世界最強なんだよ。何だよ伝説の剣って?」
「・・・・(やっぱりか)」
「伝説の棒ならいい。 だが 剣 ダメだ・・・へし折って来い。」
世界の迷惑とか そういうのは どうでもいい
ただ 棒が至上
本当に ろくでもない親父だ
それで魔王とやらが倒せなくなったらどうするんだ? 等と詰め寄る事に意味は無い
何故なら 
棒だけが 父の世界だからだ。

続く

SS無しになるから
どうしても 読み手が疲れそうな気はするが
こればかりは SSをいかんとも用意しがたい。
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by ogie_come | 2012-04-15 19:18 |




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